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やあ、ヒロシです。

妻に先に帰られた。

それだけ聞くと夫婦の危機みたいやけど、原因は大凧まつりの待ち時間が長すぎたせいや。朝10時から立ちっぱなしで、メインの大凧が揚がったのは14時10分。4時間以上待った。妻は2時間ほどで「先に帰っとくわ」と言い残して去り、残されたのは日焼け止めを塗り忘れた50代おじさん一人。帰宅後に鏡を見たら顔が真っ赤になっていた。

それでもこの祭り、来てよかったと思っている。

相模原に住んでそこそこ経つのに、大凧まつりに行ったのは今年が初めてやった。「いつでも行けるやろ」という謎の余裕で何年も素通りしてきた。これは近くにありすぎると行かないという、人間の性やと思う。僕は子どものころ京都に住んでいたのに「なんで修学旅行でわざわざ京都に来るんやろ」と思っていた。京都を離れて30年、今になって「京都って、ほんまにすごかったんやな」と気づく。大凧まつりも、そういうものやった。

これから来年以降行く人のために、僕が体験して気づいたことを全部書いておく。待ち時間・アクセス・暑さ対策・大凧が揚がった瞬間のこと、まるごと。


こんな人に読んでほしい

  • 相模原・神奈川在住で大凧まつりに行ったことがない方
  • GWのお祭りでどこへ行こうか迷っている方
  • 「来年こそ行く」と毎年先延ばしにしてきた方
  • 4時間待ちの実態を知りたい方(知っておいて損はない)
  • 日本の伝統行事を体で感じたい50代・60代の方

この祭りで気づいたこと(結論)

近くにありすぎると、人はなぜか行かない。でも一度足を運ぶと、ずっとそこにあったものの重さに気づく。この大凧まつりは、まさにそういう祭りやった。


目次

  1. 相武台下駅から歩いて15分。この道が、まずよかった
  2. 朝10時に会場着。すでに動いている、お祭りの空気
  3. 大凧の設営作業。これだけで来た価値がある
  4. ここから、4時間待つことになる
  5. 設営後、観客にお披露目される大凧。この姿だけでも圧倒される
  6. 14時10分。青空に舞い上がった
  7. 妻はツタンカーメン、僕は真っ赤なトマトになった
  8. 帰りは原当麻まで歩いた。腰が悲鳴を上げていた
  9. 200年近く続いてきた祭りと、地域の現実
  10. まとめ

相武台下駅から歩いて15分。この道が、まずよかった

今回は電車で向かった。相模線の相武台下駅で下車する。

相武台下駅
相模川への案内板

駅から会場まで徒歩約15分。田んぼが広がって、遠くに大山がくっきり見える。妻と並んで歩く道が気持ちよかった。「ちょっとした散策やな」などと言いながら、この時点ではまだ何も知らない。まさかこの後4時間立ちっぱなしになるとは、このときの僕には想像もできなかった。

会場へ向かう道
田んぼ道を歩く

ちなみに帰りにこの道を歩くのは、相当きつかった。体力に自信のない方はバイクか車を強くおすすめする。


朝10時に会場着。すでに動いている、お祭りの空気

朝10時ごろ到着。駐車場(500円・年によって変わる可能性あり)はすでに半分ほど埋まっていた。車で来るなら早めの到着が無難や。

駐車場500円の案内
大凧まつりの横断幕
会場全景と大山
河川敷の会場

会場では太鼓が鳴り響いて、屋台が並んでいた。快晴で風も適度にあって、「ああ、GWのお祭りやな」という空気が満ちていた。朝から来ると、お祭り全体を頭から味わえる。設営作業も、太鼓も、前哨戦の凧揚げも全部見られる。

太鼓の演奏台
屋台の列
屋台と人波

太鼓はこの迫力。文字より動画で見てほしい。

前哨戦の凧揚げも行われていた。これはこれで見応えがある。


大凧の設営作業。これだけで来た価値がある

白装束の保存会の方々が、地面に畳100枚分の大凧を広げ、竹の骨組みを組んでいく。この過程が、すでに見ごたえがある。

竹の骨組みを並べる
大凧を地面に広げる
引き手が綱を持って準備
大凧の細部を固定
引き手と大凧
大凧と引き手の全景
大凧の前に整列する保存会の皆さん

白装束の人たちが太い綱の前に静かに整列する。この人たちが200年近く、この行事を守り続けてきた。その重さのようなものが、何となく伝わってきた。


ここから、4時間待つことになる

大凧は「風まかせの行事」やと聞いていた。

なるほどそうか、と思っていた。でも正直なところ「だいたい何時ごろには揚がるやろ」という甘い見通しがあった。

甘かった。

炎天下で待つ観客たち
大勢の観客が待つ河川敷

河川敷は開けていて、日陰がない。5月の快晴は、気持ちよさと紫外線の暴力が同梱されている。立ちっぱなしで腰がじわじわ痛くなってくる。12時を過ぎたあたりから、正直「もう帰りたい」という気持ちが浮かんでは消えを繰り返した。

妻は2時間ほどで「先に帰っとくわ」と言い残して去っていった。

正しい判断だと思う。

そして僕は一人残った。なぜか。「ここまで来たんやから揚がるまで見る」というまったく理屈のない意地を張っていたからや。50代になっても、人間はこういう判断をする。

ここで次に来る人へ、ひとつ大事なことを言っておく。今年はメインの大凧が14時10分ごろに揚がった。あくまで今年の話やけど、もし大凧だけ見たいのなら13時30分ごろに着いても間に合う可能性がある。朝10時から来る必要はないかもしれない。ただし、繰り返すが大凧は風まかせやから保証はできない。早めに来ると設営・太鼓・前哨戦の凧など、お祭り全体を楽しめる。どちらを選ぶかは、自分の体力と相談してほしい。


設営後、観客にお披露目される大凧。この姿だけでも圧倒される

設営作業が終わると、大凧はいったん観客にお披露目される。支柱と綱で支えられながら立ち上がった姿を、近くからじっくり見ることができる時間や。

この時点では、まだ空へ揚げるためのスタート地点にいるわけではない。まずは完成した大凧を見せるために、この場所に設置されている。

大凧の絵柄アップ
お披露目のために立てられた大凧
支柱と綱で支えられた大凧
大凧と太い綱
お披露目中の大凧を横から見る
お披露目後半の大凧と保存会の皆さん

13時30分ごろになると、この大凧はいったん地面におろされた。そして、実際に大空へ揚げるために、スタート地点まで運ばれていく。

お披露目の場所で立っている姿もすごかったけど、そこから人の手で動かして、風を受ける位置まで運ぶ。その流れを見て、これはただ大きな凧を揚げるだけのイベントではなく、地域の人たちの段取りと技術で成り立っている行事なんやと感じた。

スタート地点に移動してから、いよいよ大勢の引き手がロープを引く。様子はこちら。

そして失速して落ちる。これもリアルな大凧まつりの姿やと思う。


14時10分。青空に舞い上がった

何度かの失速を経て、ついに大凧が空へ上がった。

青空に舞い上がった大凧
高く揚がる大凧
大凧と引き手の全景

4時間待った甲斐があった、と思った。

失速して落ちるのを何度も見ていたから、揚がった瞬間の「よかった」という気持ちが自然に出てきた。もしスムーズに揚がっていたら、こんなに感動しなかったと思う。待ち時間も、失速も、全部ひっくるめて大凧まつりやった。

前哨戦の凧も気持ちよく青空を飛んでいた。

前哨戦の凧が青空を飛ぶ

妻はツタンカーメン、僕は真っ赤なトマトになった

この日の妻の装備を説明する。

帽子、マスク、アームカバー、長袖。顔から腕まで布で完全に覆っていた。「ツタンカーメンモード」と僕は密かに呼んでいるスタイルや。

僕の装備は——特になかった。

河川敷は遮るものが何もない。5月の快晴は紫外線が強い。4時間立ちっぱなしで顔に日差しを受け続けた僕は、帰宅後に鏡を見て「あ、日焼けしとる」という感想を持った。「あ、」の一文字で済まないくらい赤かった。

妻に「言うたやん」と言われた。言われた記憶がない(と思う)。

行く人へ、これは笑い話ではなく本気の忠告や。帽子・日焼け止め・アームカバーは必ず持っていくこと。水分も多めに。熱中症の怖さを河川敷で実感したくはないはずや。ビールは気分を上げるが、水分補給ではない。帰りに飲んだビールで腰の痛みが和らいだのは、たぶん気のせいやった。


帰りは原当麻まで歩いた。腰が悲鳴を上げていた

帰りは歩いて原当麻駅まで向かった。これが正直なところ、限界やった。

4時間立ちっぱなし、炎天下の日焼け、そこからさらに歩く。腰がじわじわと痛い。途中でビールを一杯飲んで、なんとか生還した。

帰りがけ、会場近くにバイクや自転車の駐輪所があるのを見かけた。まだ空きがありそうやった。次回は絶対にバイクで来ようと決めた。アクセスの自由度が格段に上がるし、帰りの腰問題も解決する。(駐輪場の場所・条件は年によって変わる可能性があるので、事前に確認を)


200年近く続いてきた祭りと、地域の現実

見物をしているとき、隣で関係者の方が話しているのが聞こえた。

「年々、人が減っていくんや」と。

そして「下溝の方で揚げている大凧は、今年が最後」という言葉も耳に入ってきた。

(これは相模の大凧まつり全体の話ではなく、下溝地区の大凧についての話。公式情報ではなく、現地で耳にした話として受け取ってほしい)

人が減って、担い手が減って、地域の行事が少しずつ変わっていく。それはしょうがないことかもしれんけど、やっぱりさみしい。白装束で整列して、巨大な凧を組み上げて、自然に向かって綱を引き続けてきた人たちが、今日の大凧まつりを支えてきた。

この祭りが、これからも続いてほしいと思った。今日ここにいた子どもたちが、いつか自分の子どもを連れてこの河川敷に来て、同じ青空を見上げる。そういう時間が、ずっと続いていってほしい。


まとめ

大凧が青空に揚がる瞬間は、写真でも動画でも半分しか伝わらないと思う。あの「でかさ」と「風まかせの緊張感」は、河川敷に立って初めてわかるものや。

来年行く人に残しておく。4時間待ちたくないなら、13時30分ごろ着で十分かもしれない(今年は14時10分に揚がったので)。ただし風まかせやから、これは目安でしかない。朝から来ると設営・太鼓・前哨戦と全体を楽しめる。体力と相談してほしい。日焼け対策は絶対にやること。腰に自信がない人は折りたたみ椅子かレジャーシートを持っていくと、待ち時間がだいぶ違う。

近くにありすぎると行かないのが人間というもの。でも行ってみたら、ずっとそこにあったものの重さに気づくことがある。この大凧まつりは、そういう祭りやった。

来年は絶対にまた行く。バイクで、日焼け止め完璧で。


ちなみに今年の4月、大凧まつりの約1ヶ月前に相模川を散歩していたら、大凧が地面に広げられているところに出くわした。あの体験が、今回「今年こそ本番を見に行こう」という気持ちに火をつけたんやと思う。→ もみじと相模川へ行ったら、日本一の大凧が作られていた

神奈川でお祭り以外にも「歩きたい」「自然に触れたい」という人には、大野山もいいと思う。50代おじさんでも楽勝やったし、富士山の景色が待っている。→ 【神奈川・大野山】50代でも楽勝!富士山絶景と里山に癒されるお手軽ハイキング

GWや春に神奈川でアクティブに動きたいなら、弘法山のお花見ハイクも候補に入れてほしい。桜の季節にBBQもできる、欲張りな一日になる。→ 弘法山お花見ハイク&BBQ——桜とコースと、ちょうどいい春の一日

この記事の英語版はこちら → I Waited Four Hours at the Sagamihara Giant Kite Festival(English)