読了時間:約8分
こんにちは、ヒロシです。
曇ってます。霧も出てます。なのに奥さんは完全装備です。
帽子・マスク・サングラス・長袖・手袋。どこのヒマラヤを登るのかというレベルの装備で、鋸山ロープウェイの乗り場に颯爽と現れた。快晴だろうが土砂降りだろうが、奥さんの「ツタンカーメンモード」は天候に左右されない。もうそういう人なんやと思ってる。
今回の目的地は、千葉県鋸南町にある鋸山日本寺。
この前、姫路の名古山仏舎利塔に行ったとき、頭の中でガンダーラが流れた。そしたら今度は千葉でガンダーラが流れる羽目になった。姫路のガンダーラの次は、千葉のガンダーラ。日本列島、ガンダーラだらけやな。(姫路のガンダーラ記事はこちら)
柴犬もみじも連れて行ったんやけど、彼女は終盤、先に成仏しかけてた。
こんな方に読んでほしい
- 東京・神奈川から日帰りで「ちょっと本格的な場所」に行きたい方
- 地獄のぞきという名前に謎の引力を感じている方
- 大仏は奈良だけじゃないと思っていた方(正解です)
- 犬連れで寺社仏閣を楽しみたい方(もみじ先輩の体験談あり)
- 足元の悪い道で転んで捻挫した経験がある方(仲間がいます)
結論:鋸山・日本寺の実測データ(2026年5月・犬連れで全部歩いた)
| 犬連れOK? | OK。境内はリード着用で同伴可。ロープウェイは10kg以下の小型犬のみ片道300円(柴犬もみじはギリギリ通過) |
| 所要時間 | 大仏・千五百羅漢道・地獄のぞき・百尺観音・ラピュタの壁を全部歩いて2時間〜2時間半 |
| きつさ | 階段と急坂が多く足元の悪い箇所あり。50代でも歩けるが歩きやすい靴は必須(実際に捻挫した本人談) |
| 料金 | ロープウェイ往復1,200円+日本寺拝観料700円 |
| 駐車場 | ロープウェイ第1駐車場:土日祝600円 |
| アクセス | 電車:JR浜金谷駅から徒歩8〜9分。車:アクアライン経由・富津金谷IC |
そして感想を一言で言うと:千葉のガンダーラは本物やった。捻挫したけど、また来たいと思った。
目次
- まず費用とアクセスを整理しておく
- ロープウェイに乗ったら、霧の中へ消えた
- 千葉のガンダーラへようこそ、日本寺大仏
- 千五百羅漢道で転んだ話
- 地獄のぞきで、霧がドラマをくれた
- 百尺観音と、ラピュタの壁
- 吉川晃司が来ていたコロッケ屋
まず費用とアクセスを整理しておく

「結局いくらかかるの?」という話を先に整理しておく。鋸山は「鋸山そのもの(無料)」「日本寺(拝観料あり)」「ロープウェイ(別料金)」の3つが組み合わさった場所で、ここを最初に整理しておくと迷わずに済む。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 鋸山ロープウェイ(大人往復) | 1,200円 |
| ロープウェイ(小型犬片道) | 300円 |
| 日本寺拝観料(大人) | 700円 |
| ロープウェイ第1駐車場(土日祝) | 600円 |
ペットはロープウェイに乗る場合、10kg以下の小型犬のみ片道300円。もみじ(柴犬・体重ギリギリ)は無事通過できた。
営業時間:日本寺 9:00〜16:00(最終入場15:00)、ロープウェイ 9:00〜17:00
アクセス:JR内房線「浜金谷駅」から徒歩約8〜9分でロープウェイ山麓駅。東京駅から乗り換えを含めて約2時間、運賃は約1,980円が目安。
車の場合は、アクアライン経由で富津金谷ICを降りて国道127号沿いに進むのが最もわかりやすい。
ペットを連れていく場合、日本寺境内はリード着用で同伴可。ただし境内は山のため階段や急坂が多く、足元が悪い箇所もある。歩きやすい靴で来ることを強くすすめる。(捻挫した人間の言葉として信じてほしい)
所要時間の目安:ロープウェイ山麓駅から山頂駅まで約4分。大仏・千五百羅漢道・地獄のぞき・百尺観音・ラピュタの壁を全部歩いて山麓へ戻るまで、だいたい2時間〜2時間半。足元が悪いのでゆっくりめに見積もっておくのが吉。我が家のように捻挫すると、もう少しかかる。
ロープウェイに乗ったら、霧の中へ消えた

10時00分、ロープウェイ山麓駅を出発した。
ロープウェイの所要時間は片道約4分。ゆっくりと高度を上げていくにつれて、窓の外がどんどん白くなっていった。霧やね。霧。山頂に近づくほど濃くなっていく。

「これ、山頂着いても何も見えんのとちがうか」と思いながら乗っていた。実際、着いてみたら霧がすごかった。
10時23分、山頂駅に到着。

「鋸山山頂駅・日本寺・標高329m」と書かれた木製の看板が出迎えてくれた。この看板、ちょっとかっこいいな。山に来た感じがする。
ただ、この日の十州一覧台からの眺望はゼロだった。東京湾も富士山も、全部白。「関東の富士見100景」に選ばれているポイントに着いたけど、見えるのは霧のみ。
「まあ、これはこれで幻想的やね」と自分に言い聞かせて、先へ進んだ。
千葉のガンダーラへようこそ、日本寺大仏
山頂駅から歩いて日本寺へ。境内に入ると別料金(大人700円)がかかる。ここから先が本番やね。
日本寺は725年、行基によって開山されたお寺で、2025年には開創1300年を迎えた。現在は曹洞宗。源頼朝が武運を祈願し、薬師本殿を再建した歴史もある。とにかく、歴史が深い。
10時56分、大仏前参道へ。11時ちょうど、大仏広場に到着した。

でかい。
いや本当に、「でかい」以外に最初に出てくる言葉がなかった。高さ31.05メートル。奈良の大仏が約14.98メートルやから、それより倍以上ある。1783年に原型が完成し、昭和に復元された石製の座像。岩を直接彫り込んだ磨崖仏で、これが日本最大級と呼ばれている理由がわかった。

霧に包まれた中で大仏を見上げると、なんというか、この世とあの世の境目みたいな雰囲気がある。晴れた日とはまた違う迫力があって、「霧の日も悪くないな」と思った。
そして、この日のベストショットがこれ。

もみじ、舌ペロ。
大仏は1300年の歴史を持つ。もみじは3歳。バックのスケールがすごいのに、もみじの表情がやけに軽い。「仏さまの前でそんな顔でええのかい」と思いながら、完全にベストショットになった。
拝観者向けの案内板には、大仏の「大きさ比較表」みたいなものがあって、奈良・鎌倉・飛鳥の大仏と並べて記載されていた。それを見た奥さんが「やっぱりここが一番大きいんやね」と言った。ツタンカーメンモードのまま、普通にうれしそうやった。
千五百羅漢道で転んだ話
大仏広場を後にして、千五百羅漢道へ向かった。
1553体の石仏が山中に点在する道で、江戸時代に大野甚五郎英令が門弟27人とともに21年かけて彫り上げたもの。数もさることながら、一体一体の表情が全部ちがうのがすごい。笑ってるやつ、怒ってるやつ、眠そうなやつ。

もみじは岩の石段を颯爽と登っていく。犬は四本脚やから安定してるんよね。うらやましい。こっちは「足元気をつけてな」と言いながら、自分が一番気をつけられてなかった。

岩壁が左右に迫る独特の通路を歩く。薄暗くて、石仏がそこかしこに祀られていて、「なんかここ異世界やな」という感覚になる。もみじも何かを感じているのか、いつもより落ち着いて歩いていた。

岩の割れ目に丁寧に収まった石仏。1800年代に彫られたものが、雨風に削られながらも今もこうしてそこにある。「21年かけて1553体か…」と思うと、気が遠くなる。現代人が同じことをやろうとしたら何年かかるか、想像もつかない。
そして11時30分ごろ。
足元が悪い道で、ずるっとコロンだ。
捻挫した。
石段でもなく、ロープで固定された箇所でもなく、普通の傾斜でズルッとやった。奥さんはツタンカーメンモードで完全防備なのに、こっちは普通のスニーカーで足首をひねった。まあ、自業自得やね。
幸い、歩けないほどではなかったので続行。でもここから先は、足首をジンジンさせながらの散策になった。
足元はしっかりした靴で来ることを強くすすめます。登山靴まで必要ないけど、ペラペラのスニーカーは正直危ない。体験者は語る。
地獄のぞきで、霧がドラマをくれた
不動の滝を経由して、11時47分、山頂展望台・地獄のぞきへ。

岩の突端がせり出した、あの有名な場所。
晴れていれば東京湾が一望できるはずのポイントやけど、この日はガスガス。下を見ても白い霧があるだけ。
でもこれが逆によかった。霧に包まれた突端に立つと、足元が見えない分だけ「どこまで落ちるかわからへん」感が増して、スリルが倍増する。晴れてる日より怖かったかもしれん。

奥さんともみじが立った。ツタンカーメンモードの奥さんが霧の中に立つ姿は、それはそれで絵になっていた。「あの人、何者やろ」と他の観光客が思ってたかもしれん。
「地獄のぞきって、なんでこんな名前なんやろな」と思いながら、ちゃんと足がすくんだ。捻挫した足首もジンジンしてたけど、それより恐怖のほうが上回った。
ちなみに近くに「もともとつながっていた!地獄のぞきになる前の架け橋をARで再現」という案内板があって、ARアプリで石切職人が現れるらしかった。スマホを向けてみたけど、僕の端末では起動せず終わった。残念。
百尺観音と、ラピュタの壁
12時09分、百尺観音に到着。

旧石切場跡に彫られた磨崖仏で、高さ約30メートル。1960年から6年をかけて1966年に完成した。こちらは昭和の作品やけど、6年かけて岩を直接彫り込んだという事実は、やっぱりすごい。

見上げると首が痛い。でも見上げなきゃ全体が収まらない。そのスケール感が、また「人が彫ったんやな」という実感を強くする。ちなみに隣に立つと自分の小ささがよくわかる。「俺、ここに何しに来たんやろ」という気持ちになる。ありがたい気持ちもあるけど、圧倒的に自分が縮む感じ。これ、ちゃんとした信仰心になるのかもしれない。
そして、12時05分ごろに通った採石場跡エリア。通称「ラピュタの壁」と呼ばれている場所がある。

これは何かというと、房州石(ぼうしゅういし)という凝灰質砂岩を採石した跡やね。この石は柔らかくて加工しやすく、耐火性も高いため、江戸時代から横浜港や台場の建材などに使われた。採石が本格化したのは江戸時代からで、終業したのは1985年。その間に山頂部を中心に採石が行われた結果、垂直に切り取られた岩壁が残った。それが今の「ラピュタの壁」になっている。
鋸山という名前の「ギザギザ」も、このノコギリのように岩を切り取った採石の痕跡やね。自然景観と人工景観の境界が曖昧な、ここにしかない風景やと思った。
山頂でARガイドの看板も見かけた。「石切り職人たちが蘇る」というもので、スマホをかざすと採石の様子が再現されるらしい。こっちはちゃんと起動した。石工がリアルに動いてて、ちょっと面白かった。
12時15分、金谷下山口へ向かい、下山開始。
吉川晃司が来ていたコロッケ屋
13時、下山完了。
足首はジンジンしてるけど、腹が減っていた。そこへ目に入ってきたのが「笹性精肉店」の暖簾と、コロッケ100円の看板。


腹が減っていたので、冷めたコロッケもうまかった。本当に。あれは空腹補正がかかっていたとしても、普通においしい。
そして、店のディスプレイを見ていたら、吉川晃司がここに来たことがあるらしかった。写真や紹介記事が貼ってあった。
ちょっと待って。
吉川晃司やで。あの吉川晃司。「モニカ」の。「にくいあんちきしょう」の。鋸山に来て、日本最大級の大仏を見て、捻挫して、地獄のぞきで足がすくんで、最後にコロッケ屋で吉川晃司の目撃情報を得て帰る。この日の情報量、おかしいやろ。
100円のコロッケを食べながらそのことを奥さんに話したら、「へえ」と言われた。ツタンカーメンモードのまま、「へえ」と言われた。全然刺さらんかった。吉川晃司に対してその反応はどうかと思うけど、まあそういう人やから仕方ない。
もみじはといえば、店の前でぐったりしていた。最後の方は歩くペースが明らかに落ちていて、ちょっと引きずられるような感じで歩いていた。大仏の前では舌ペロで元気やったのに、千五百羅漢道で体力を使い果たしたらしい。まあ、捻挫したのはこっちやけど。もみじと一緒に歩いた別の散策記録はこちら→【犬連れ観音崎】海と灯台と柴犬もみじの休日散歩レポ
訪問前に知っておくと便利な情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所(日本寺) | 千葉県安房郡鋸南町元名184 |
| 日本寺拝観料 | 大人700円、小人400円 |
| 営業時間 | 9:00〜16:00(最終入場15:00) |
| ロープウェイ | 往復1,200円(大人)/ 片道300円(小型犬10kg以下) |
| ロープウェイ営業時間 | 9:00〜17:00(荒天時運休あり) |
| 駐車場 | 第1・2駐車場:500〜600円 / 東口駐車場:無料 |
| アクセス(電車) | JR浜金谷駅から徒歩約8〜9分(ロープウェイ山麓駅) |
| トイレ | 大仏広場下・ロープウェイ山麓・山頂駅にあり |
| 自販機 | 山麓駅・山頂駅・日本寺西口管理所前・大仏広場のみ |
| ペット | 日本寺境内はリード着用で同伴可。ロープウェイは10kg以下可(片道300円) |
混雑のピークは三連休の午前11時ごろ。駐車場が満車になることもあるため、休日は9時前後の到着が安全圏。ロープウェイは荒天時に運休することがあるので、当日朝の運行情報確認を忘れずに。
服装は、ロープウェイ利用でも運動靴が必須。階段・岩場が多く、雨の翌日は特に滑りやすい。水分は自販機が限られているので持参がおすすめ。
鋸山日本寺は、「地獄のぞきに立つだけ」でも十分満足できる場所やけど、全部歩くともっと深くなる。関東近郊でもみじと歩いた記録として、奥多摩ハイキングの話もよかったら。
大仏、千五百羅漢、地獄のぞき、百尺観音、ラピュタの壁。どれか一つが有名になってるけど、全部歩くと「これ全部同じ山の話か」という密度の濃さがある。東京から日帰りできる距離に、こんな場所があったんやな。関東に住んでいながら、知らんかったことが恥ずかしいくらいやった。
この日は霧で眺望はゼロやったけど、それでも十分に満足できた。むしろ霧のおかげで、大仏も地獄のぞきもいつもより幻想的に見えた気がする。晴れの日は晴れの日で、また別の顔があるはずやから、次は東京湾を見に来たいなと思っている。
帰りの車の中で、もみじはぐっすり寝ていた。助手席の奥さんはツタンカーメンモードのまま、スマホをぼーっとながめていた。こっちは足首をジンジンさせながら運転していた。
捻挫した足首は翌日には治った。コロッケは本当においしかった。吉川晃司とは会えなかった。それが、この日のすべてや。